せっかく作った梅干しにカビが生えていた場合、捨てるかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。
梅干しに生えるカビには、様々な種類があり、中には毒性が強く、誤って食べてしまうと嘔吐や下痢などの症状がでるものもあります。
本記事では、梅干しにカビが生えた時の対処法や、カビを生やさないための予防方法をご紹介します。
梅干しを自宅で漬ける際も、カビが生える原因を知っておけば対策できるので、ぜひ参考にしてください。
梅干しに生えるカビの種類
梅干しに生えるカビは3種類あります。
- 白カビ(白色)
- 青カビ(黒色)
- 赤カビ(ピンク色)
それぞれ見た目の特徴も違えば、人体に及ぼす影響も異なります。
以下で詳しく解説するので、梅干しに生えてしまったカビがどの種類に当てはまるか確認してください。
白カビ(白色)
白カビは、パンなど梅干し以外の食べ物にもよく発生するカビです。
梅干しに生えたカビがふわふわした白い綿のような見た目をしている場合、白カビの可能性があります。
中には毒性を持つものもあるため、基本的には食べずに処分するようにしてください。
出典:OMRON「食中毒に負けない! 免疫力を高める生活を」
青カビ(黒色)
青カビは、白カビ同様、食べ物によく発生するカビです。
梅干しに生えたカビが青黒い斑点模様のような見た目の場合、青カビの可能性があります。
しかし、全ての青カビが有毒というわけではなく、一部はチーズの発酵や抗生物質ペニシリンの原料として有効に活用されている青カビもあります。
ただし、青カビは100種類以上も存在し、食べると下痢や腹痛など人体に悪影響を与えるものもあるため、個人の判断で食べないように注意が必要です。
出典:東邦微生物病研究所「食品のカビについて」
赤カビ(ピンク色)
赤カビは植物病原菌の一種で、別名「フザリウム」と呼ばれています。
梅干しに生えたカビがピンク色の斑点のような見た目の場合、赤カビの可能性があります。
古い梅干しやご飯、パンなどに発生することがあり、さらに麦やとうもろこし、サツマイモなどの野菜を枯らしてしまう原因の一つです。
赤カビは強い毒性を持っていることがあるため、食べると嘔吐や下痢などの症状が発生するケースもあります。
梅干しに少量でも赤カビが見られる場合は、食べずに捨てるようにしてください。
出典:農林水産省消費・安全局「国産麦類中のかび毒(フザリウム毒素)の実態調査結果 」
梅干しにカビが生えた時の対処法は?
本章では、梅干しにカビが生えた際の対処法について3つ解説します。
- 梅酢にカビが浮いている場合
- 梅干し・赤紫蘇にカビが生えている場合
- カビが全体的に広がっている場合
「梅干しを漬けている途中でカビが生えた」というケースも、同じ方法で対処できます。ぜひ参考にしてください。
梅酢にカビが浮いている場合
梅酢にカビが浮いている場合は、清潔なスプーンなどでカビをすくって取り出してください。
その後、梅1㎏に対し100〜200gの食酢を加えます。
この時点で梅干しのカビを処理しておけば、カビの被害を最小限に留めることができます。
梅酢が濁っている場合は、市販の新しいもので漬け直すことが望ましいです。
梅酢を再利用したい時は一度沸騰させて冷ましてから使用ください。
カビは熱に弱く熱湯で死滅するため、沸騰させる手順は非常に重要です。
その際、梅は水でよく洗い、容器も熱湯消毒してください。
出典:紀州梅の会「梅加工マニュアル」
梅干し・赤紫蘇にカビが生えている場合
梅干しや赤紫蘇にカビが生えている場合は、次の手順で対処してください。
- カビが生えている梅干しや赤紫蘇、隣接している梅干しや赤紫蘇を取り除く
- ほかの梅干しも分けて取り出し、焼酎やアルコールで洗浄する
もしくは、煮沸消毒をする
- 梅干しを漬けていた梅酢を取り出して煮沸消毒する
- 容器を消毒し、冷めた梅酢と梅干しを戻す
梅酢を消毒する際は、酸や塩分に耐性があるホーロー鍋がおすすめです。
梅干しを置いたり梅酢を入れたりする容器にも注意が必要です。
アルミやプラスチック製の容器は酸に弱いため避けてください。
また梅干しを戻す際には、食酢を追加しておくとカビの再発生を防止できます。
万が一梅干しにカビが生えても、早めに対処すれば間に合う場合も多いため、こまめに状態を確認してください。
カビが全体的に広がっている場合
梅干しのカビが全体的に広がっている場合はすべて処分するようにしてください。
カビの中には強い毒性があり、体に悪影響を及ぼす可能性があるものも。
仮に「前回食べても問題なかった」という方でも、長期にわたり食べ続けると健康被害を受けることがあります。
梅干し全体にカビが生えている場合は、もったいないですが食べないようにしてください。
梅干しにカビが生えてしまう原因と予防方法
市販の梅干しは規定の保管方法に従って保管することで、基本的にカビが生えることはありません。
しかし、手作りの梅干しは漬けている途中や保存の際にカビが生えてしまう場合があります。
梅干しのカビ対策には、原因を知ることが大切です。
梅干しにカビが生えてしまう原因は主に4つあります。
- 水分
- 消毒不足
- 塩分濃度
- 環境
以下で詳しく解説します。
梅を洗った際の水分が残っていた
梅干しを作る際は、最初に梅を洗います。
この時、水分が残っていると容器に入れた際に湿気がこもってしまい、カビが生える原因になります。
梅を漬ける前に、しっかり水分を拭き取ることが大切です。
特に、梅のヘタを取った部分(なり口)に水分が残りやすいため、入念に拭き取るようにしてください。
また、カビは冷凍状態では生えませんが、冷蔵状態だと時間をかけて発生することがあります。
梅干しを保存する冷蔵庫の湿気でカビが生えることもあるため、冷蔵庫内の結露にも注意してください。
容器や道具の消毒が不足していた
カビが生える原因として、梅干しを保存する容器や作る際に使用する道具の消毒が不十分なことも挙げられます。
例えば、梅干しを汚れた手や消毒していない箸などで触ると、菌が付着してカビが繁殖しやすくなります。
作った梅干しを保存する時や、購入した梅干しを容器に移す時には、容器や道具をしっかり消毒して清潔にしておくことが大切です。
また、消毒にはアルコールが有効ですが、焼酎やホワイトリカーで代用することもできます。
ただし、お酒は消毒用エタノールに比べてアルコール度数が低いです。
消毒目的でアルコールを使う場合、濃度が70%以上のものを使用することが推奨されています。
梅干しのカビを確実に予防するには、焼酎やホワイトリカーを使うのではなく、消毒用エタノールを使ってください。
出典:彩の国 埼玉「消毒・除菌用アルコール製品のエタノール濃度について」
塩分濃度が低かった
梅干しの塩分濃度が低いと、カビが生えやすくなります。
市販の梅干しの中でも、減塩タイプの梅干しはカビが生えやすいため、保存の際は注意が必要です。
梅干しを自分で漬ける際は、塩分濃度を18〜20%以上にするとカビの防止になります。
また、塩分濃度が十分でも、梅に塩がかかっていなかったり、梅酢に漬かっていなかったりするとカビの原因になります。
さらに梅干しの漬け方もカビの防止に重要です。
梅干しの容器を毎日揺するなどして、すべての梅に均等に塩や梅酢がかかるようにしてください。
もし減塩梅干しを作りたい場合は、白梅干しを漬けた後に塩抜きするのがおすすめです。
白梅干しの塩抜き方法は次の通りです。
- 梅100gに対しぬるま湯(30〜40℃)0.5リットルを容器に入れる
- 30分~数時間後に梅を取り出し、ザルで1~2時間程度水切りする
- 水分が残っている場合は、キッチンペーパーで拭き取る
- 梅を冷蔵庫で保管する
出典:town minabe「困ったときのQ&A 梅干し・梅漬け編 A-7」
カビが生えやすい環境で保存していた
カビは温度や湿度、空気、養分の条件によって発生します。
カビの発生しやすい温度は20〜30℃で、そこに湿気や酸素、養分が加わるとカビが繁殖しやすくなります。
梅干しのカビを防止するには、カビが好む環境を作らないことが重要です。
まずは、出来上がった梅干しは可能な限りすぐ冷蔵庫に入れるようにしてください。
温度を低くすることで、カビが発生しにくくなります。
また、多くのカビは酸素がないと生存できないため、梅干しを保存する際は空気が入らないようにしてください。
空気に触れないようにするためには、ジップロックに入れて管理するのがおすすめです。梅干しをジップロックに入れた後は、空気を外に逃がしてからしっかりと閉めるようにしてください。
出典:桑原医院「かびの予防と食事」
梅干しのカビと塩、産膜酵母の見分け方
梅干しのカビと間違われやすいものに、塩や産膜酵母があります。
健康な梅干しを誤って捨ててしまうことがないよう、梅干しのカビと塩、産膜酵母の見分け方を理解しておいてください。
ここでは、梅干しのカビと塩の違い、梅干しのカビと産膜酵母の違いを解説します。
梅干しのカビと塩の違い
梅干しを漬ける際に塩を用いるため、梅干しの表面が白くなることがあり、カビと間違えることがあります。
梅干しのカビと塩の見分け方にはコツがあります。
結晶のような白いツブツブした斑点がある場合は塩です。
一方、ふわふわした綿のような場合はカビと判断できます。
カビなのか塩なのか、見た目では判別しにくい時は、お湯に浸けてみると良いです。塩ならお湯に溶けますが、白カビの場合は溶けません。
また、梅干しを天日干ししている時に、白い粉が付着することがあります。
カビは乾燥に弱いため、干した後にカビが生えるとは考えにくいです。
天日干しの際に梅干しに付いた粉は、カビではなく塩なので心配はいりません。
梅干しのカビと産膜酵母の違い
梅酢が濁っている、白い膜のようなものが出ている場合、産膜酵母の可能性があります。
産膜酵母とは酵母菌の一種で、味噌やぬか床にも発生するものです。
産膜酵母は発酵が進んでいるサインであり、人体には無害です。
しかし、産膜酵母が増えすぎるとカビが生える原因になるため取り除いてください。
出典:農林水産省農産局「メールマガジン」
梅干しにカビが生えると不吉って言い伝えは本当?
「梅干しにカビが生えたら縁起が悪い」「梅干しのカビは不吉」という言い伝えを耳にしたことがある方もいると思います。
このような梅干しとカビについての言い伝えは迷信です。
昔は梅干しの塩分濃度が高いのは当たり前で、カビが生えにくい食品として知られていました。
本来カビが生えない梅干しにカビが生える=縁起が悪い、という解釈に繋がったとされています。
そのため、もし梅干しにカビが生えたとしても過剰に不安がる必要はありません。
梅干しにカビが生えないよう対策しよう!
今回ご紹介した方法を参考にし、梅干しにカビが生えないよう対策してください。
梅干しのカビ対策は、カビの原因を知ることから始まります。カビの原因を取り除くことで、梅干しのカビを防止してください。
また、梅干しにカビが生えたと思ったら、実はカビではなかったというケースも多いです。
梅干しを安心して食べるためにも、梅干しと塩、産膜酵母との見分け方も覚えておくと安心です。
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