しょっぱくて、酸っぱい。これぞ本物「おばあちゃんの梅干し」の作り方を伝授
「昔食べてた、あの、おばあちゃん家の梅干しを手作りしてみたいんだけど」
老舗梅干し屋の4代目の私。皆さんが梅干し作りに興味を持ってくださってうれしい限りです!日本人が大事に受け継いできた日本の伝統食材ですからね。でも……
“梅干し作りって、手間も多いしカビが生えるとか、色々大変なんでしょう?”
“大きな瓶もないのに梅干し作りなんてできないよ。第一、そんな置き場所もないし!”
あれれ。
梅干し作りに高いハードルを感じていらっしゃる方が多いようですね。実家で梅干し作りをするおばあちゃんの姿を横目に見ていた方は、尚更そんな印象を抱くなんてこともあるようです。
ですが、ご安心ください!基本の手順といくつかのコツを押さえれば、初めての方でも手軽に、失敗なく、自家製梅干しが作れます。今日は、しょっぱくて酸っぱい、これぞ本物「おばあちゃんの梅干し」の作り方を伝授したいと思います。実は、瓶がなくてもご家庭にある“アレ”があれば手軽に梅干し作りを楽しめます♪
Contents
昔ながらの「おばあちゃん家の梅干し」を作りたい!
「しょっぱくて酸っぱい——そう、おばあちゃん家の梅干しが食べたい!」
顔をくしゃっとさせながら食べた昔ながらの梅干し。ご飯との相性もサイコーですよね。
近年では、塩分を控えた減塩タイプや、はちみつや調味料で食べやすく味付けされた梅干しが増えてきました。でも、梅と塩だけで作るシンプルな梅干しには根強い人気を裏付けるだけの明確な理由があるんです。今回は、おばあちゃん家の梅干しが熱烈に支持されるワケを簡単にご紹介します。
しょっぱくて、酸っぱい。これぞ本物!
近年、塩分10%以下の「減塩梅干し」が健康志向の高まりとともに人気を集めていますね。ですが、梅本来の健康成分や旨味を楽しみたい方は、“脱塩していない昔ながらの製法で作った「おばあちゃん家の梅干し」”をご賞味ください!
梅干しには、健康に役立つさまざまな効果があります。
クエン酸を豊富に含み、疲労回復や食欲増進に役立つほか、抗菌作用もあり、食中毒の予防にも効果的です。また、腸内環境を整える働きや、血液をサラサラにする作用も期待されており、生活習慣病の予防にもつながります。塩分の摂りすぎには注意が必要ですが、日々の食事に適量を取り入れることで、体調を整える自然の健康食品として注目されています。
保存性が高く、非常時にもそのまますぐに食べられるのでぜひ、ご家庭の非常食(保存食)として“いざという時の梅干し”を準備してみてはいかがでしょうか。
塩分18%の基本の「おばあちゃん家の梅干し」の作り方
ここからは、塩分18%の昔ながらの「おばあちゃん家の梅干し」の作り方をご紹介します。しっかり塩で漬ける伝統的な作り方ながら、やわらかく仕上げるための工夫も加えたレシピです。
基本の「おばあちゃん家の梅干し」(塩分18%)
【材料】
- 完熟梅(黄色くなったもの)…1kg
- 粗塩(できれば天然塩)…180g(梅の重量の18%)
- 焼酎(35度前後、消毒用)…適量
- 赤紫蘇(塩もみ用、任意)…200gほど
【道具】
- 漬物容器(ホーロー、ガラス、プラ製でもOK)
- 重石(梅の1~2倍程度の重さ)
- 清潔な布巾・ざる
- 落とし蓋またはラップ
- ざるまたは網やすだれ(天日干し用に平らで大きいものがあれば)
【作り方】
1.道具の消毒
カビを防ぐために梅干し作りで使う道具類に熱湯や焼酎をかけるなどして消毒を行います。重石なども含め、すべての道具を事前に消毒しておくと良いでしょう。
2.梅の下処理
完熟梅はヘタを取って洗い、水気をよく拭き取る。保存食に水気は厳禁!清潔なふきんを使って1個ずつ拭き取りましょう。特にヘタの部分に水分が残ることがあるので要注意。水気を拭いた梅はざるに移しておきます。
※もし青梅を使って作りたい場合は、事前に水に2~3時間ほど漬けてアクを抜きます。
また、ヘタを取った後に焼酎を吹きかけると、カビの発生を抑えやすくなります。
3.梅と塩を交互に漬ける
梅→塩→梅→塩の順に重ねて漬けていき、最後に残りの塩を全体にふりかけます。容器の上部にいくほど塩の量を増やし、最後は梅が塩で隠れるようにするのがポイントです。
表面に落とし蓋、なければラップをして、埃や雑菌が入らないよう密閉し、重石をのせて冷暗所に置きます。
4.梅酢が上がるのを待つ(約3〜7日)
梅酢が梅からじわじわと出てきます。梅全体が梅酢に浸るようになったら、梅が潰れるのを防ぐために重しを軽くしても問題ありません。逆に、梅酢の上がりが遅い場合は、重しの重量を増やしてください。梅酢が上がってきたら、塩が溶け切るまで冷暗所で置いておきましょう。
5.赤紫蘇の塩もみ(※お好み)
お好みで赤紫蘇を準備します。赤紫蘇は太い茎を摘み取って除き、よく洗って水気を拭いたら塩でもんでアクを出します。2回ほど塩もみを繰り返し、水気を絞ります(時間がある場合は半日ほどざるに上げて乾かすと◯)。水気を切った赤紫蘇に梅酢を少し混ぜて色を出し、梅の上にのせていきます。この時、赤く染まった梅酢も一緒に戻し入れましょう。
※赤紫蘇は、梅の重量に対して最低10%程度、色と風味をしっかりつけたいときは重量に対して最大20%ほど準備しましょう。塩は、赤紫蘇の重量に対して18%ほど準備し塩もみしましょう。
ここから約1ヶ月ほど冷暗所で寝かせます。
いざ土用干し(天日干し)! ※梅雨明け頃に3日間
いざ、土用干しの日がやってきました!7月中旬以降の梅雨が明ける時期を待ち、3日間ほど晴れの続く日を見計らって土用干しをします。
6.ザルに並べて干す(1日目)
晴天の朝、梅をざるに重ならないよう並べて日光に当てます。途中で上下を返して、まんべんなく干しましょう。この日の夕方、梅を梅酢に一度戻すと、ふっくらやわらかく仕上がるのでおすすめです。
漬け込んだ赤紫蘇の一部もこのタイミングで一緒に干して、ふりかけにすると良いでしょう。
翌朝、再び梅を取り出して干します。夜間は室内に取り込むか梅酢に戻してもOK。だんだんと梅にしわがよってきて、触ると耳たぶくらいの柔らかさになります。梅を天日に干すことで余分な水分が蒸発して保存性が高まり、ねっとりとした食感に変わります。
合計3日間干したら完成!
土用干しが終わった梅干しは、保存瓶などに移して保管します。保存法としては「赤梅酢に戻して保存する方法」と「そのまま保存する方法」があります。「赤梅酢に戻して保存する」場合は、果肉の瑞々しさが楽しめ、赤紫蘇の色もしっかり入ります。また、梅酢の酸味が加わることで、味わいはややシャープで引き締まった印象になります。「そのまま保存する」場合は、色はやや淡くなるものの、果肉がねっとり濃厚な食感に。酸味もやや落ち着き、まろやかで優しい味わいになります。
どちらの方法でも、干し終わった直後から食べられますが、塩が馴染む3か月後くらいからが食べごろです。時間をかけるほど味に深みが増し、常温・冷暗所での長期保存(数年)も可能です。保存には密閉できるガラス瓶などがおすすめです。
失敗しない「おばあちゃん家の梅干し」作りのFAQ
最後に、失敗しない「おばあちゃん家の梅干し」作りの極意についてまとめます。梅仕事初心者の方や以前に失敗してしまった方などは、ぜひ参考にしてくださいね。
梅干し作りが推奨される季節は?
6月中旬~下旬の梅雨入り前後がベスト。完熟梅が出回り、赤しそも出始める時期です。
梅の選び方は?
完熟して黄色くなり、ほんのり甘い香りがする南高梅がおすすめ。傷が少なく、皮が薄くて果肉が柔らかいものが理想です。
梅酢や漬けた赤紫蘇の再利用法は?
梅酢はドレッシング、漬け物、酢の物などに活用できます。
赤紫蘇は干してゆかり(ふりかけ)にするか、ご飯に混ぜても美味しいです。
カビの原因や対処法は?
水分や雑菌が原因です。「梅や容器の水気をしっかり拭き取ること」「焼酎やアルコールで殺菌」「塩分濃度を下げすぎない」のがポイント。ただし、白カビなら取り除いて梅酢を煮沸し、再度使えます。
アク抜きは必要?
完熟梅なら基本的に不要です。ただし、青みが残る場合は数時間水に浸けてアク抜きしてもOK。
ヘタを取らずに漬けるとどうなるの?
ヘタを取らずに漬けると、えぐみや苦み(いわゆる雑味)が出やすくなることがあります。また、カビの原因になる可能性があります。梅酢の上がりが悪くなる場合もありますので、ヘタは丁寧に竹串で取ってから漬けましょう。
梅を洗う前にヘタを取ってもいい?
洗った後にヘタを取ると水が入りやすく傷みの原因になるので、洗う前に取るのがおすすめですが、前後しても水分をしっかり拭き取れば問題ありません。
青梅でも梅干しは漬けられる?
青梅でももちろん漬けられますが、果肉がかたく、酸味が強い仕上がりになります。完熟梅のほうが柔らかく食べやすい梅干しが作れます。
傷のある梅でも大丈夫?
小さな傷ならOKですが、深い傷や潰れがある梅はカビや腐敗の原因になるため避けた方が無難です。
粗塩以外の塩でも大丈夫?
可能ですが、精製塩では梅酢が上がりにくく、風味も劣ることがあります。にがりを含む粗塩(天然塩)がおすすめです。
追熟の方法は?
青みが残る場合は、常温で新聞紙に包んで2〜3日置くと追熟します。黄色く香りが出てきたら漬け頃です。
梅干しを干す理由は?
梅干しを干すことで水分が抜けて保存性が高まり、皮もしなやかに、味が凝縮します。また、日光に当たることで風味も増します。
干す前の梅干しが黒くなったら?
紫蘇が多すぎたり、漬け込みが長すぎると色素沈着で黒っぽくなることがあります。味に問題はありませんが、気になる場合は色を整える工夫も必要です。
干し上がりの目安は?
3日間の晴天干しで、皮がしっかりしつつも果肉がやわらかい状態が理想です。梅を手で持ったときに、皮が破れずにふんわりしていたら完成の目安となります。
ジップロックでも梅干し作りができるって本当?
ジップロックがあれば手軽に梅干し作りに挑戦できますよ。作り方は基本的に同じ。ただし、ジッパー部分から液漏れすることがあるので、必ず受け皿にのせて様子を見てください。また、1日2~3回程度、塩や梅酢がまんべんなくまわるよう袋を軽くゆするのがコツですが、その都度バッグ内の空気をしっかり抜き、カビの発生を防ぎましょう。
すぐ食べたい方、必見【無添加で安心「おばあちゃん家の梅(紀州南高梅)」】ならプラムレディへ
さて、ここまで、しょっぱくて、酸っぱい「おばあちゃんの梅干し」の作り方や失敗しないコツをご紹介してきました。
「早速、梅仕事に取りかかろう!」という気分になった方もいらっしゃれば「そうは言っても時間がない」という方もいらっしゃると思います。
そんな時は、プラムレディの「おばあちゃん家の梅」がおすすめ♪
一切、脱塩せず梅干し本来の有効成分を残し、塩と国産紫蘇のみで漬けた、昔懐かしいおばあちゃんの味が楽しめます。もちろん梅は、大事に育てた最高級品種「紀州南高梅」。果肉が柔らかく、なめらかな食感の梅干しに仕上がっています。
今日からあなたも1日1梅。顔がくしゃっとなるぐらいのしょっぱさで、夏の暑さを吹き飛ばしましょう!