硬めの食感が好きっ!青梅を使った梅干しの作り方を伝授しよう。
店頭に青梅が並ぶ時期がやってくると「ああ、梅干しでも作ろうかな」なんてつい考えてしまうのは私だけです??
梅干しは“ごはんのお供と言えば梅干し!“体調を崩したら母の梅粥”といった感じで「活力」や「ホッと一呼吸」を連れてきてくれるパワーフードとして、私たち日本人が大切に受け継いできた元気の象徴ではないでしょうか。そんな梅干しですが、通常は少し熟して黄色くなった完熟梅を使うところ、あえて「青梅」を使って漬けてみると、硬めの食感が楽しめて、いつもと少し変わった仕上がりになっておいしいんですよ!
今回は、青梅を使った梅干しの漬け方をご紹介していきます。興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください♪
Contents
梅干し作りに青梅ではなく完熟梅が推奨される理由
まず、「なぜ普通の梅干し作りには青梅ではなく完熟梅が使われるのか」を押さえておきましょう。青梅を使って梅干しを漬ける際には、いくつか注意点が増えるため、理由まで理解しておくと失敗を減らせます。
青梅よりも完熟梅の方が失敗しにくいの?
一般的に、梅干し作りには完熟梅が推奨されています。その理由のひとつに、「梅酢(梅を塩漬けした後に出る液体)が上がりやすい」という点があります。たとえば、青梅は実が硬いため実崩れしにくい分、塩漬けした際に梅酢が出にくい傾向があります。梅酢が十分に出ないと、カビが生えやすかったり、漬け込みがうまくいかなかったりするリスクがあります。また、青梅はアク抜きをしなければならないなど、下準備の手間が少々増えてしまいます。
そうした理由から、完熟梅で漬ける方が失敗のリスクや手間を減らせるので「梅干し作りには完熟梅が推奨される」わけですね。
仕上がりが柔らかくなる
もうひとつ、完熟梅が推奨される理由として、仕上がりの食感の違いが挙げられます。完熟梅を使うと、漬け込み後に実が比較的柔らかく仕上がります。一方、青梅を使うと硬めの食感が残りやすく「硬めの食感が好き」という方にはメリットになりますが、柔らかめを求めるなら少し工夫が必要なのです。そうしたことから「ふっくら柔らかく仕上げたい」方には完熟梅がおすすめというわけです。
以上、「青梅で漬ける梅干しは完熟梅の場合と少し事情が違うぞ」という心構えができたかと思います。それでは早速、青梅を使った梅干しの漬け方をご紹介していきます!

青梅を使った梅干しの作り方を伝授!
ここからは、青梅を使って自家製梅干しを作る際の「材料と手順」を具体的に解説します。青梅ならではのポイント(塩分の比率、重しの重さ、漬け込み期間など)をおさえて、失敗なく仕上げましょう。
材料と手順
必要なもの
※青梅1kgを基準に
- 青梅 … 1kg(実がしっかりしていて、傷が少ないものを選ぶ)
- 粗塩 … 梅に対して18〜20%が目安(1kgなら180〜200g程度)
- 赤しそ … 適量(風味・色味を加えたい場合)
- 消毒用焼酎(またはアルコール)
- ガラス・ホーロー・陶器など漬け込み用の容器
- 落とし蓋
- 重し(梅の重さの2倍以上が目安)
手順
- 梅の準備
青梅を水でよく洗い、ヘタを竹串や爪楊枝で取りましょう。水気を十分に拭き取ります。※実に傷があるもの、キズが深いものは除きましょう。 - 容器・道具の消毒
漬け込み容器、落とし蓋などは、焼酎やホワイトリカーなどで消毒しておきます。※金属製の容器・落とし蓋は避け、ガラスまたはホーローなど酸・塩分に強い素材を選びましょう。 - 塩漬け
容器に塩を入れ、その上に梅を並べて粗塩を振りかけます。塩・梅の順に、梅を塩で挟むように交互に入れていき、梅全体が塩で覆われるように最後に塩を多めにかけると安心です。落とし蓋をし、さらに梅の重さの2倍以上の重しを乗せます。青梅は実が硬いため、重しを通常より重めにするのがポイントです。
この状態で数日~1週間ほど、梅酢が上がるのを待ちます。梅酢が出にくいときは、塩分を少し増やす、または塩分濃度20%の塩水を少量加える方法もあります。 - 梅酢が上がったら冷暗所へ
梅酢がしっかり上がったら、塩が完全に溶けるまで冷暗所に置いておきます。 - 土用干し(晴れた日に干す)
梅雨明け後、晴天が続く日にザルなどに並べて天日干しを行います。1日で終わらせず、3日ほど連続して晴れる日を狙いましょう。干す場所は直射日光が当たり、風通しの良い場所に。梅同士がくっつかないよう、間隔をあけるのがコツです。 - 仕上げ・保存
干しあがったら瓶などに移し、冷暗所で保存します。食べ始めるタイミングは、お好みですが通常(1ヶ月ほど)より少し長めに寝かせることをおすすめします。天日干し後、半年ほど寝かすと塩味の角が取れて味が馴染みますよ。
追熟すれば、いつもの梅干しに
今回は「硬めの食感が好き」という方向けに青梅を使う方法をご紹介しましたが、逆に「いつもの柔らかめ仕上がり」の梅干しを目指すなら、梅を追熟させましょう。また、時短のために梅を冷凍させると◎です。
柔らかく仕上げたい場合は追熟しよう
青梅がスーパーや直売所に並び始めるのは、例年5月下旬から6月頃にかけて。つい「梅干しを作りたくて、早まって青梅を買ってしまった!」という方もご安心を。早まる気持ちを落ち着かせるためにも試してほしいのが、青梅の追熟。やり方はとても簡単!
まずは買ってきた青梅を新聞紙やザルの上に重ならないように並べます。そのまま直射日光を避けた風通しの良い場所に3〜6日ほど置いておくと、梅の表面がだんだんと黄色みを帯び、甘い香りが立ってきます。これが追熟完了のサインです。ただし、追熟を上手に行うにはいくつかのコツがあります。次の3つのポイントを意識しましょう。
ポイント1:袋に入れたままにしない
袋の中は湿気がこもりやすく、蒸れやカビの原因になります。必ずすぐに袋から出し、空気が通る状態にしましょう。
ポイント2:追熟前には洗わない
青梅は皮がデリケートなので、水に濡れると傷みやすくなります。追熟が終わってから、漬け込みの直前に洗うようにしましょう。
ポイント3:直射日光を避ける
日光に長く当たると、果皮がしなびたり、風味が落ちたりします。風通しの良い明るい日陰に置くのが理想です。
これらを守ることで、青梅の硬さが和らぎ、完熟梅のような香りとやさしい食感に近づけることができます。追熟を経た梅は、塩や砂糖が浸透しやすく、漬け上がりもまろやかになります。青梅のまま使えばカリッとした食感を、追熟させればしっとりと柔らかな食感を楽しめます。ぜひ、自分好みの梅の状態を見極めながら、理想の梅干しづくりに挑戦してみてくださいね。
梅を冷凍するのもひとつの手!
青梅は、梅酢の抽出に時間がかかるのも難しいところ。そこで、青梅を冷凍してから漬けるという方法があります。冷凍すると梅の内部の水分が膨張して細胞壁を壊し、その結果、塩漬けにしたときにエキス(梅酢)の抽出が早まります。これにより、漬け込みスピードがぐっと上がり、おいしく仕上がって、一石二鳥というわけですね!
ただし、細胞壁が壊れることで梅が形状を保てず、そのほとんどが“つぶれ梅”になってしまうことは理解しておきましょう。
冷凍梅の準備はとても簡単です。
- 青梅をよく洗って水気を拭き取る
- ヘタを取り除き、密閉袋に重ならないように入れる
- 冷凍庫で一晩から数日間、しっかりと凍らせる
漬け込みたいタイミングになったら、凍ったまま塩漬けすればOKです。梅を解凍する必要はありません。漬け込み始めて数日後には、梅酢がどんどん上がってくるはずです。さらに、冷凍保存しておくことで、自分のペースで梅仕事を始められるのも大きなメリットに。仕事や家事で忙しくて「今日は漬ける時間がないな」と思ったら、冷凍庫にストックしておけばよいのです。使いたいときに取り出してすぐ使えるのは、とても便利ですよね。「おいしく」「手早く」梅干しを漬けたい方にはもってこいの手法!ぜひ、豆知識としてご活用ください♪

紀州南高梅で、自家製梅干しを作ろう!
梅仕事は少々手間がかかりますが、その分“自分だけの味”を作る楽しさ、喜びがあります。また、青梅を上手に活用することで、自分好みの食感や風味をコントロールできるのが、自家製梅干しの醍醐味とも言えますね。「いつもの梅干しとはちょっと違う梅干しを食べてみたい」という方は、ぜひ青梅で漬ける食感豊かな梅干し作りに挑戦をしてみてはいかがでしょうか?
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