冷凍すれば30分でできちゃう!? 果肉感たっぷり【梅ジャムレシピ】を大公開!
春の終わりから初夏にかけて出回る青梅や完熟梅。そんな季節の恵みを、おいしく長く楽しむ方法のひとつが「梅ジャム」です。
「梅ジャムって、手間も時間もかかりそう…?」
実は冷凍梅を使えば、驚くほど簡単&時短で作れます!とろりとした果肉感と、甘酸っぱさがたまらない完熟梅のジャムは、パンやヨーグルトのお供にぴったり。
今回は基本の梅ジャムレシピから時短法、失敗しないポイント、絶品デザートアレンジまでたっぷりご紹介します。
スーパーではあまり見かけない梅ジャムを冷蔵庫に忍ばせておけば“今日1日を頑張ったご褒美”に、家に帰るのが楽しみになりますよ♪

Contents
おいしい!基本の梅ジャムの作り方(完熟梅ver)
材料
まずは素材が命。完熟梅を使うことで、香り・酸味・甘みのバランスが絶妙なジャムに仕上がります。用意するのは以下のとおり。
- 完熟梅…500g
- 砂糖…200〜300g※種を除いた重量の6-70%が目安
- 水…適量
- 煮沸消毒済みの保存瓶
砂糖の量は好みで調整可能ですが、保存性を重視するなら少なくとも梅の重量の70%程を目安としてみましょう。ジャムづくりは、甘さと日持ちのバランスを探る“果実の錬金術”なのです。
手順
1.水洗いして下茹でする
完熟梅はデリケートなのでやさしく水洗いし、アク抜きのため軽く下茹でします。もし傷んだ部分があれば包丁で切り取るなどしてください。
梅を鍋に移し、かぶるくらいの水を加えたら鍋を中火にかけ、沸いたら弱火にしてさらに30-45分ほど煮ます。皮がふやけてきたらOKサイン。ザルにあげて水気を切ります。ここまでで、梅の渋みやえぐみがかなり和らぎます。鍋は、酸味が出るので「ホーロー鍋」「ステンレス製鍋」をチョイスしましょう。アルミや鉄でないものがおすすめです。
粗熱が取れたら梅の果肉部分をちょっとだけ味見してみましょう。そのまま食べても苦すぎなければOKです!※少し苦いくらいの状態であれば、むしろジャムの味わいに深みが加わります。
2.種を取り出して果肉を潰す
粗熱が取れたら、梅の種を取り出します。梅を2〜3個手に持って、ぎゅっと握ると果肉が落ちて、種だけが手に残るといった要領です。このとき、やけどにはご注意を。中の果肉は柔らかく、1粒ずつ指先で割っても簡単にほぐれるはず。すりつぶすというより“ちぎる”感覚で、果肉の食感を残すのがコツ。潰しすぎると繊維感がなくなってしまうので、ジャムらしいトロみと粒感を両立させるのがプロっぽい仕上がりへの第一歩です。滑らか派の方は裏ごししてもOK。
3.砂糖を加えて煮る
鍋に潰した梅と砂糖を入れて、弱火〜中火でじっくり煮ていきます。焦げやすいので、底から優しくかき混ぜながら煮詰めていきましょう。10〜15分ほどで全体がとろりとまとまり、梅特有の黄金色が現れます。途中でアクが出たら、こまめに取り除きましょう。水分が飛びすぎたら少量の水で調整を。お好みでレモン汁を少々加えると、さらにさっぱりとした風味に。ジャムは冷めるととろみが強くなるので、ジャムらしい粘度になるまで煮詰める必要はありません。「ゆるさを残すのがおいしく作るコツ」。また、すっきりとした甘みが好みの方は、グラニュー糖で作るのもおすすめです。
4.冷暗所で保存する
煮あがったジャムは、すぐに清潔な瓶に詰めましょう。その前に保存瓶はしっかり煮沸消毒を!
沸騰したお湯で5分ほど煮た瓶は、清潔な布の上で自然乾燥させておきます。熱いうちにジャムを詰めてしっかりフタをすれば、空気が入らず保存性がアップ。常温で冷暗所にて1〜2ヶ月ほど保存可能です。ただし、開封後は冷蔵庫で保存し、1〜2週間以内に食べきるのが理想的。市販品と違って保存料が入っていない分、手作りジャムは“おいしく早く”が鉄則です。

梅ジャム作りのポイント
生梅なら45〜60分かかる加熱時間が、冷凍梅なら約半分に!
冷凍梅を使うメリットは以下の3つ。
- 下茹が要らない
- 生梅より早く煮崩れるので時短になる
- 冷凍により果肉の繊維が壊れ「トロトロ&なめらか」に仕上がる
実は、梅を冷凍するだけで“皮むき&種取り”の手間がぐっとラクになるってご存じでしたか?
梅は冷凍すると細胞壁が壊れ、加熱時に果肉がほろほろと崩れやすくなります。その結果、調理工程が一気に時短に!忙しい平日や、梅しごと初心者にとっては大きな助け舟。解凍後すぐ調理に取りかかれるのもうれしいポイントです。冷凍梅はまさに「時間を味方につける」魔法。しかも風味はそのまま、いやむしろ凝縮されている説も!?
冷凍した梅は「冷凍梅」としても販売されていますが、完熟梅を買ってきて冷凍してもOK。下準備は、よく洗ってキッチンペーパーなどで水気を丁寧に拭き取り、ヘタを取り除いて冷凍用保存袋に入れて冷凍庫でひと晩寝かせる(凍らせる)だけ。
ちなみに冷凍梅を使う場合は、霜がつくと水分調整が難しくなるため自然解凍して調理を始めるのがおすすめです。

青梅で作る梅ジャムとの違いは?
完熟梅のジャムはフルーティーでまろやか、まるで“梅のネクター”。一方、青梅ジャムはキリッと爽やかで、シャープな酸味が特徴です。まさに「完熟はおだやかな大人味」「青梅はきかん坊の元気味」。
どちらにも魅力はありますが、青梅は加熱しても渋みが残りやすく、糖分とのバランスが難しいという難点も。香りについても、梅の皮や種の近くに多く含まれる青葉のような香り成分が加熱中に際立ち少々草っぽくなることがあるため、初心者には完熟梅をおすすめします。
なお、青梅にはアク抜きが必須(青梅の場合は水に2〜3時間浸けてアクを抜いたり、アク抜きの加熱工程に手間と時間を要したりします)。工数がかかるぶん、上級者向けとも言えるでしょう。

梅ジャムにエグ味がある場合は?
せっかく作ったジャムが「なんか渋い…?」それ、エグ味=渋み成分「タンニン」や「クエン酸」が原因かも。特にアク抜きを省いたり、未熟な梅を使ったりするとエグ味が出やすくなります。
対策としては、下茹でを多めに行うこと、果肉を煮る前に水にさらすこと(10〜20分)。すでに煮てしまった場合は、レモン汁を少し加えることで風味を整えるという裏技もあります。
梅は繊細な果実。ちょっとした処理の違いで、味が劇的に変わります。渋みは、工夫次第で“コク”にも化けますよ。
梅ジャムで簡単&絶品デザート作りに挑戦!
…と!ここで、まずは梅ジャムを使ったドリンクをご紹介します。
冷凍梅で作った梅ジャムがあれば、ちょっと一息つきたいときにぴったりのドリンクが手軽に楽しめますよ。
梅ジャム炭酸(ソーダ)ドリンク
暑い日には、梅ジャム炭酸ドリンクがおすすめ!
グラスに氷をたっぷり入れたら、梅ジャムを大さじ1〜2ほど加えます。ジャムの甘さや濃さはお好みなので、味を見ながら量を調整してください。そこに炭酸水をゆっくりと注ぎ、軽くかき混ぜれば、完成です。
ひとくち飲めば、梅の香りとほのかな酸味がシュワッと口いっぱいに広がり、蒸し暑い日でもスッと気持ちが軽くなるような味わい。お好みでレモンのスライスやしぼり汁を加えれば、さらに爽やかな仕上がりに。
梅ジャムホットドリンク
寒い日には、梅ジャムをお湯で溶かしてホットドリンクにするのもおすすめです。梅のやさしい酸味と甘みが、じんわりと体を温めてくれます。
【アレンジのコツ】
緑茶や紅茶に加えると、フルーティーな香りがプラスされます。お酒が好きな方は、焼酎やウォッカで梅ジャムカクテルにしても美味。スムージーやフルーツジュースに混ぜると味変ができ、好みによって梅ジャムの量を調整しながら楽しめます。
気分に合わせて色々な飲み方を楽しんでみてくださいね。

梅ジャムヨーグルトパフェ
シンプルで毎日、手軽に楽しめる王道デザートとしておすすめしたいのが梅ジャムヨーグルト。無糖ヨーグルトにたっぷりの梅ジャムをトッピングするだけで、爽やかな酸味が際立つスイーツに変身します。層にすることで見た目も華やかなパフェに。グラノーラやクラッシュしたナッツを加えれば、食感も楽しくなり満足度アップ。さらに、はちみつを少し加えるとまろやかさがプラスされ、よりリッチな味わいに。
朝食にも、おやつにもぴったりな“罪悪感のないご褒美”です。冷蔵庫にあるもので作れる手軽さも魅力!
梅ジャムのチーズクリームサンド
バターやチョコではちょっと重い…そんなときにおすすめなのが、梅ジャム×クリームチーズの黄金コンビ。室温で柔らかくしたクリームチーズに梅ジャムを加えて混ぜ、クラッカーやバゲットにサンドすれば完成。
ジャムの酸味がチーズのコクを引き立てて、あと引くおいしさです。ミントや粗挽き黒こしょうをひと振りすれば、おつまみ風アレンジも◎。デザートにもワインのお供にもなる、万能な一品。大人のティータイムにぴったりです。
梅ジャムの豆乳プリン
ヘルシー志向の方には、梅ジャムを使った豆乳プリンがおすすめ。無調整豆乳200ml、砂糖大さじ1、ゼラチン5gを温めながら混ぜ、容器に流して冷やし固めるだけ。仕上げに梅ジャムをのせれば、淡白なプリンが一気に華やかで奥深い味わいに変わります。梅ジャムの果肉感ととろみがソース代わりになり、まさに“和洋折衷の美味”。カロリー控えめなのにしっかり満足できる、からだ想いのデザートです。おもてなしにも映える一品。

梅ジャムを作るなら「紀州南高梅」がおすすめ
梅ジャムを本気で極めたいなら、素材選びから妥協は禁物。ぜひ、おすすめは最高品種と名高い「紀州南高梅」でしょう。
加熱するととろけるような口あたりの「紀州南高梅」は、果肉が厚くてやわらかく、馥郁(ふくいく)とした香りが漂い、種も取りやすく、ジャムにしたときの“梅感”は他の品種の追随を許しません。皮が薄く裏ごしの必要がほぼないため、手間も味も上質に仕上がります。まさに、梅ジャムのために生まれたような「紀州南高梅」。
素材ひとつで、ジャムはここまで変わる。そんな感動を、ぜひ一度、体験してみてください!