【老舗梅干し屋監修＆執筆】梅酒レシピ！色々なお酒であなた好みの梅酒を作ろう
「梅酒って、ホワイトリカーじゃなくても作れますか？」最近、こんなお問い合わせを多数いただきます。答えは「もちろん、作れます！！」でも、ちょっぴりどんな味わいになるのか不安…。
今回はそんなお悩みを解決すべく、さまざまなお酒で漬けた梅酒の風味の特徴をご紹介していきます。まずは、普段から口にしているお酒で漬けてみるのをおすすめしますが、時には各種お酒で作った梅酒を飲み比べするのも楽しいでしょう。
さて、どんな味に仕上がるかな？冒険の扉を開けてみましょう！
Contents
まずは基本の梅酒の作り方をおさらい！
梅酒はコツさえおさえれば、家庭でもおいしく作ることができますよ。基本的なレシピを紹介します！
材料・道具
- 青梅（完熟梅よりも青梅の方が失敗しにくいです）: 約1kg
- ホワイトリカー: 約1.8L（梅と同じくらいの量）
- 砂糖: 約500g～1kg（好みで調整してください）
- 消毒してよく乾燥させた保存瓶
- へたとり用の竹串／キッチンペーパー
作り方
1.梅の準備をしよう青梅はしっかりと洗って、ヘタを取り除きます。梅の実が傷つかないよう丁寧に扱いましょう。水で軽く洗ったら、キッチンペーパーなどで水気を拭き取ります。水分はカビの原因になるので、残さず拭き取るのがポイントです。
2.瓶の準備
瓶に残る水分や雑菌にも注意！清潔にしておきましょう。熱湯で消毒して乾かすのがおすすめ。
3.梅を瓶に入れる
梅を瓶に詰めていきます。なるべく隙間ができないよう並べるようなイメージで入れていきます。
4.砂糖を加える
砂糖を加えます。砂糖の量は好みに合わせて調整してください。だいたい700g～1kgが一般的ですが、甘くない梅酒が好みの方は500g程度にしましょう。砂糖を均等に広げるように瓶を軽く振ります。
5.ホワイトリカーを注ぐ
ホワイトリカーを瓶に注ぎます。梅と砂糖が完全に浸るように注ぎましょう。
6.密封して保存
瓶の蓋をしっかりと閉め、冷暗所に保管します。直射日光を避け、温度が安定している場所がベストです。漬け込み後は、1ヶ月に1回ほど溶け残りの砂糖を溶かすイメージで軽く瓶を振りましょう。
約3ヶ月〜半年ほどで飲み頃になりますが、1年くらい熟成させると、まろやかな味わいになります。お好みで調整してみてください。
飲み方
梅酒はそのままでも十分に楽しめますが、氷を入れてロックで飲むのがおすすめです。また、炭酸水で割るとさっぱりと、お湯で割るとより強く梅の風味を感じることができます。
注意点
- アルコール度数が20%未満のお酒で「梅酒」を仕込むのは酒税法違反。必ず度数を確認しましょう。アルコール度数が高いほど保存もきくので、長く楽しみたい方はアルコール度数30〜40度のお酒を使ってみましょう。
- できるだけ新鮮な梅を使いましょう。傷んだ梅や熟しすぎた梅は失敗の元にもなりかねません。
- 漬け込み後の梅酒は、長期間寝かせることで風味が深まりますが、あまり長く置きすぎると味が変わることもあるので、2〜3年以内に飲み切るのが理想です。2年以上熟成させたいときは1年で梅の実を取り出してから熟成を続けることをおすすめします。取り出した梅の実の活用方法はこちらから☆
使うお酒によって異なる味わいを楽しもう
梅酒作りに使うお酒で1番に思い浮かぶのはホワイトリカー。でも、他のお酒を使って漬け込むことで、また違った風味の梅酒を楽しめるんですよ！ここでは、それぞれのお酒（アルコール度数35〜40度）で漬けた場合の味わいの特徴をまとめてみます。ぜひ、ご参考までに。
ホワイトリカー
ホワイトリカーとは、焼酎（特に甲類焼酎）を指す和製英語。甲類焼酎は連続式蒸留で製造され、風味や香りがほとんどなく、ほぼ純粋なアルコールに近いのが特徴です。モノ自体は無味無臭ですっきりとした味わいなので、ホワイトリカーで漬けると、アルコールのツンとした香りが少々気になるものの、梅の風味はしっかりと感じられ、飲みやすい印象の梅酒になります。1〜2年後には、他の焼酎系の梅酒は味がまろやかになっていくのに対し、ホワイトリカーで作った梅酒はツンとした風味が残りやすい印象です。
日本酒（果実酒用がおすすめ）
米に含まれる糖分の働きで、梅のエキスが早めに抽出される印象です。漬ける期間は同じでも、ホワイトリカーより日本酒のほうが梅の旨みを強く感じられる仕上がりになります。
米焼酎
梅と米焼酎が混じった独特の香りが感じられますが、梅の風味がしっかりと味わえる梅酒に仕上がります。すっきりした印象ながら、ホワイトリカーよりも柔らかい飲み口で美味。さらに漬けて置くと、米焼酎の香りがよりマイルドになり、味わいも一層まろやかになります。
麦焼酎
米焼酎と比べてみると原料となる麦の香りが強く残っている印象です。麦焼酎特有の辛みが感じられるものの、好みの方もいるかもしれません。梅の風味もほしい方は、もう少し寝かせてみるとよいでしょう。米焼酎と同様に麦の香りがマイルドになり、麦焼酎らしいキレは残しつつも、まろやかな味わいに変化します。
芋焼酎
梅の風味の中にほのかに残る芋の香りが楽しめる梅酒の出来上がり。梅の酸味に芋焼酎の旨味が調和しているとも言えますが、やっぱり癖はありますね。芋焼酎が好きな方の変わり種として作ってみるとよいでしょう。長く漬け込むと、さらに独特な風味が楽しめます。
黒糖焼酎
本格焼酎と比較して梅の香りが最も感じられる印象です。黒糖のまろやかさと鼻から抜ける梅の風味が良い塩梅で溶け合い、非常にマイルドな味わい。時間が経つにつれてコクとまろやかさが増し、焼酎にちょっと抵抗がある人、初心者でも癖がなく飲みやすい梅酒が出来上がります。
ブランデー
ブランデーはそもそもアルコール度数は40度前後と高く甘みのあるお酒なので、梅の風味との相性が良く、ホワイトリカーなど他のお酒で漬け込むよりも早く、1～2か月後から楽しめる印象です。おいしく作るポイントとしては、甘いお酒なので砂糖の量を減らしたほうがバランスよく仕上がります。それでも、焼酎より甘い仕上がりになるので好みによって使い分けてくださいね。また、梅の実を取り出すタイミングも早めが良いかもしれません。
梅酒作りなら「紀州南高梅」がおすすめ！
今回は、さまざまなお酒で作る梅酒の味わいについてご紹介してきました。中には、自分好みの梅酒作りに興味が沸いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかく挑戦するなら紀州南高梅を使ってこだわりの梅酒作りを楽しんでみませんか？華やかでフルーティーな香りが特徴の世界に誇るトップブランド“紀州南高梅”なら、梅酒の味わいを一推しも二推しもしてくれるでしょう。
また、冷凍梅を使ってもおいしく漬けることができます。一度冷凍することで梅のエキスが抽出されやすくなり、冷凍していないものよりも早く飲むことができるというメリットもあります。「青梅を買ったけどすぐには漬けられない」という方は、慌てず冷凍保存してお好きなタイミングで梅酒作りに挑戦してみてください！
株式会社梅樹園 代表取締役社長 生田 富哉プロフィール
老舗梅屋の4代目。大学卒業後は「自分探しの旅」を選択。海外を放浪しその土地で生きる人や文化に触れる中で、自身の礎を見失ったときにたどり着いた西アフリカの山奥の村で「自分の根っこを大切にしなさい」と長老に抱きしめられ、4年ぶりに故郷に帰ることを決意。帰国後、家業の梅干し屋を継ぎ、農業への取り組みや土着の伝統文化に積極的に関わり、若梅会会員としても地域貢献に奮闘中。
